職場カウンセラー:田村泰彦

職場の人生相談カウンセラー・田村泰彦

新入社員を褒めよう/田村泰彦

最近の新入社員は表面的にはきわめてまじめに見え、しかも社会人になるためのトレーニングを積んでいるように見えます。

一方で、マニュアルへのこだわりが強いという傾向があります。

情報過多の時代なので、個性の発揮の仕方までもマニュアルで学んでいる面があるのでしょうか。逆に、マニュアルで学んでいないようなことはスポンと抜けていることもあります。

また「……じゃないですか」という話し方に象徴されるように、あまり自己主張をしません。

これは自分に自信がない証拠だとも考えられます。少子化社会のなかで育ったので、自ら意思を伝えなくても周囲が分かってくれる環境にあったからでしょうか。

こうした新入社員でも、どこかの部署が受け入れなくてはいけませんが「全員が上司なのであいさつをするように」と基本的なことから教えないと、ただ立っているだけです。

自分で場面を切り開く能力に欠けているから大変です。

では、上司はどう対処したらいいのでしょうか。嘆いていても仕方ありません。何をすればいいのかを具体的に、しかも丁寧に、さらに目標と理由をつけてきちっと説明する必要があります。

例えば、単に「コピー取って下さい」と言うだけではなく、何の資料のコピーで、だれが見るかまで指示します。

とにかく最初に、きちんと教えるかどうかで、その後の成長が違ってきます。

良いところがあれば具体的にほめることもできます。ほめられることによって、自信を持ってくると、自分で考えて動き始めます。

小学生を相手にするようですが、油断してはいけません。ぼーっとしているようで、実は上司をよく観察しています。ですから上司が「生き生きとして魅力的に行動する社会人」であることが、最大の対処法かもしれません。

茶髪、ピアスについては、ある会社の人事担当者から「ピアスの穴はいくつが限度か」と聞かれたことがありますが、社内で明確なルールがないなら、上司は割り切るしかありません。

茶髪、ピアスだけでその人を評価しないようにすべきです。

 

田村泰彦